カシオペア・北斗星の旅

 東京から北海道へ行くにはいくつかのアプローチがあります。今は、飛行機で行かれる方がほとんどだと思いますが、2人以上で時間に余裕があるのなら、是非一度「寝台特急『カシオペア』または『北斗星』」で行くことをおすすめします。上野から札幌まで約16時間半の旅ですが、目が覚めれば「そこは北海道!」という感覚は、何ともいえないものがあります。
 もちろん、帰りの寝台列車の旅もとても雰囲気があっていいものですが、なかにとっては、行きと違ってある種の寂しさがつきまといます。
 青函トンネルを抜けた時の本州へ戻ってきたという感覚、黒磯をすぎたときの関東に入ったという感覚、そして建物が増えてくると、もう東京に戻ってきたという感覚。どれもが段々と自分を日常生活に引き戻し、もう旅も終わりだという寂しさを感じずにいられません。
 しかし、そういう感覚に浸ることができるのも、鉄道ならではの魅力だと思います。
 まだ、寝台列車の旅を経験したことのないみなさんは、是非体験してみて下さい。

カシオペアの旅

 豪華寝台特急として大人気の北斗星を一部置き換える形で華々しくデビューしたのが、豪華寝台特急「カシオペア」です。編成はオール2階建て全個室で、食堂車はもちろん、ラウンジカー、シャワールームを備えた豪華列車です。時間は掛かりますが、ぜひ一度試してみてください。

側面に書かれたロゴ 朝の車窓から太平洋を望む

カシオペアツイン

 ここでは、少しだけ室内についてご紹介します。私が利用したのはカシオペアツインで、これはカシオペアのいくつかある部屋タイプのうちでも、もっともスタンダードな部屋だと思います。
 昼間は向かい合って席があり、折りたたみのテーブルが備えられています。ベッドにすると、L字型に2つのベッドが現れます。
 乗車すると、客室乗務員(車内販売と同一人物)の女性がウェルカムドリンクの注文を取りに来ます。夕張メロンキャラメル1つと、ソフトドリンク(日本茶、オレンジジュースなど)がサービスされます。
 乗り心地は、かなりいいと思います。想像以上に揺れませんし、トイレ洗面所が個室に備えられているのでまさに走るホテルと言ってもいいでしょう。鍵も暗証番号キーが備えてありますし、非常通報ボタンも備えられているので、女性でも安心の旅ができると思います。

カシオペアツイン(2階席)。ウェルカムドリンクが付きます
備え付けの使い捨てスリッパ(紙製?)

ダイニングカー

 夕食はやはりダイニングカー(食堂車)がいいでしょう。2階にあり、眺めもとてもいいです。ただ、ちょっと高いのが難点ですが(フランス料理コース7,800円、懐石御膳5,500円)、寝台列車の食堂車という滅多にない経験はする価値ありです。ちなみに、私は懐石御膳を食べました。(コース料理、懐石御膳は要予約)
 朝食ももちろんダイニングカーがお勧めです。北海道の朝の景色を眺めながら、のんびりと朝食、何度経験してもいいものです。これで、1,600円(メニューは和・洋定食の2品のみ。予約不要ですが売り切れに注意)なら納得できるはずです。朝日に輝く太平洋を眺めながらの朝食なんて想像しただけで素敵だと思いませんか?朝食の営業は6:30からですが、あっという間に満席になってしまいますのでできるだけ早く行くことをお勧めします。

洋定食 朝のダイニングカー

北斗星の旅

 カシオペアの陰に隠れてしまって、少し存在感の薄くなった「北斗星」ですが、毎日2往復の運転とまだまだ健在です。食堂車「グランシャリオ」を連結しており、ディナーや朝食もカシオペアと同様に楽しむことができますし、個室も多数連結。シャワールームも完備しています。カシオペアにはないB寝台もあり、気軽に寝台特急の旅を楽しむことができるのは大きな魅力です。毎日2往復という運転本数を考えればその人気の根強さが想像できます。

「北斗星」(なか撮影)
北斗星


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