関門海峡の旅

 山口県下関市と福岡県北九州市を隔て、本州と九州の境界となる関門海峡。古くから交通の要衝として栄えてきた海峡の両岸には、見所がたくさんあります。朝からまわれば、夕方には一通り見ることができます。

唐戸

 下関の唐戸付近は、古くからの洋館が残るところです。代表的な建物は、旧英国領事館ですが、もう一つ見逃せないのが、交差点を反対側にある、南部町郵便局です。現存する郵便局舎としては最古のものだそうで、今も現役です。郵便局に興味のある方は見逃せませんね。

交通:下関駅からバスで10分、唐戸バス停下車。


長府

 唐戸や門司の洋風建築のあるモダンな風景からはちょっと想像できないのが、城下町の長府です。長府毛利氏5万石の城下町で、なだらかな傾斜の続く町に、武家屋敷や土塀などが残っています。その傾斜の奥の方に毛利氏の屋敷があります。石畳と土塀の続く町を歩いていると、少しタイムスリップしたような気になります。

交通: 下関駅からバスで約25分、城下町長府バス停下車。
長府駅からバスで約5分、城下町長府バス停下車。

 


関門橋・関門国道トンネル

 関門海峡のシンボルといってもいい関門橋は、昭和48年に本州と九州を結ぶ高速道路として架けられました。全長1,068mあります。橋の架かるあたりが壇ノ浦で、源氏と平氏の最後の戦いである「壇ノ浦の戦い」があったのも、このあたりです。
 また、ほぼ同じ位置の海底には、関門国道トンネルが掘られています。こちらは、地下で2段式になっており、上段が自動車、下段が人道で歩行者は無料(自転車などは20円)。地上からエレベーターで降りてトンネルの端に立つと、中央付近が一番深いV字型になっているのがよくわかります。15分ほどで対岸に出られます。

夕暮れの関門橋 関門国道トンネル(人道)の内部

交通:下関駅からバスで約10分、壇ノ浦バス停下車


関門連絡船

 関門海峡を渡る手段として、鉄道と道路の他に連絡船もあります。下関側は唐戸、門司側は門司港駅のそばからの乗船となります。約20分おきの運行で、運賃は210円、所要時間は5分となっており、単純に対岸を行き来するだけならこれが一番便利かもしれません。

交通: 下関駅からバスで約10分、唐戸バス停下車すぐ
門司港駅下車すぐ

門司港駅

 現在では、本州からの列車は門司港駅を通りませんが、関門トンネル開通以前は、九州の玄関口で、駅名もこちらが門司でした。駅の中には、九州の鉄道の起点であったことを示す「0哩(マイル)」の記念碑が立っています。
 特に注目は、大正3年建築(1914年)の洋風建築の駅舎です。今も現役のこの駅舎のなかにはいると、そこここに興味を引く物体があります。まさに九州の玄関口にふさわしい風格を漂わせています。
 また、なかが訪れたときには整備途中でしたが、現在では周辺地区は「門司港レトロ地区」として、整備されており洋風建築の建物などが一般に公開されているそうです。

洋風建築の門司港駅
(夜はライトアップされるそうです)
「0哩(マイル)」の記念碑
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