東急世田谷線の旅

 現在、いわゆる「チンチン電車」で現存するものは東京都内に2路線しかありません。一つは、三ノ輪橋−早稲田間の都電荒川線(12.2km)。もう一つが、三軒茶屋−下高井戸間5.0kmを結ぶ、この東京急行世田谷線です。もっとも、この世田谷線のほうは、完全に専用軌道を走っており、路面電車ではありません。

 三軒茶屋駅は、東急新玉川線三軒茶屋駅(こちらは地下駅)と隣接しています。地下道を歩いて行くと、ビルの谷間にある世田谷線の駅に着きますが、案内板がわかりにくいので初めての人は迷ってしまうかも知れません。

東急世田谷線三軒茶屋駅
ビルの谷間にある世田谷線三軒茶屋駅

 入口に改札があり、運賃130円を払って入場すると、大抵は年代物の2両編成の列車を見ることができます(新車もあるようです)。床も窓枠も木製という、東京近郊では今や貴重な代物です。
 三軒茶屋を出発した列車は、住宅が密集した中を走っていきます。
 車内は買い物帰りの住民が荷物を抱え、また古い車両は、住宅地にうまく溶け込み、生活に密着した路線であることを感じさせます。

世田谷線の主力車両

 沿線には、史跡も多くあります。宮ノ坂駅の近くにある豪徳寺は幕末の大老、井伊直弼を出した井伊家の菩提寺で、立派な山門などがその繁栄を物語っています。また、宮ノ坂駅には、古い車両が保存されており、内部には世田谷線の歴史や写真などが展示されています。

宮ノ坂駅の展示車両と内部の展示物の一部

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