お得な切符が多く発売されていることは、切符の選び方(基礎編)で書いたとおりですが、これをうまく使うことで選択の幅がさらに大きく広がります。
ここでは、切符の選び方(応用編)として、いろいろな利用方法をご紹介しましょう。
切符の選び方(基礎編その2)の「周遊きっぷを使う」を掲載しました。
確かに、通常の切符より安くある程度自由に乗れるのは魅力ですが、どうしても「ゾーン」の制約があります。しかし、ゾーンの制約があっても、往復の運賃が割引になることや、ゾーン内は特急の自由席が利用できるというのは魅力です。
そこで、周遊きっぷと他の切符を組み合わせて利用します。
つまり、周遊きっぷの利用できるところは利用して、足りないところは自分で補えばいいのです。
実際に、なかが九州旅行で使った方法をご紹介します。
まず、実際の乗車経路は次のようなものです。
東京−(山陽新幹線)−博多−(鹿児島本線)−久留米−(久大本線)−大分−(日豊本線)−延岡−(高千穂鉄道)−高千穂−(バス)−高森−(南阿蘇鉄道)−立野−(豊肥本線)−熊本−(フェリー)−島原−(島原鉄道)−諫早−(長崎本線)−長崎−(長崎本線)−鳥栖−(鹿児島本線)−博多−(山陽新幹線)−東京 |
途中、第3セクターやバス、フェリーなどを利用しています。これに対応するゾーン券はありませんので、周遊きっぷだけではどうしてもカバーできません。そこで考えたのが、「切符の選び方(基礎編その2)」で掲載した切符です。再度掲載します。
実際のルートを検討したときに、一番有効に活用できそうだったのが「大分ゾーン」券だった訳です。具体的には、
ことなどがその理由です。実際に計算してみたところ、周遊きっぷに含まれていない部分を買い足したとしても、すべてバラバラに買うよりも安くなることを確認できました。
実際に、周遊きっぷの、どの部分を利用して、どの部分を買い足したのかは、時刻表を見て調べてみてください。
乗り継ぎ割引は、新幹線と在来線を乗り継ぐ場合に在来線の特急料金が半額になるという制度です。(ただし、一部の例外有り)
これ自体は、別に目新しいことはありません。しかし、実際には新幹線に乗らずにこれを利用するという、制度のスキをついた方法になります。
新幹線の隣り合った駅同士の自由席特急料金は830円〜950円です。乗り継ぎ割引を利用すると在来線が半額になりますから、在来線の特急料金が2,000円以上であれば、お得になります。
例えば、名古屋から特急「ひだ」に乗って高山まで行く場合、特急料金は2,610円(通常期普通車指定席)ですが、三河安城から新幹線を利用する形にして新幹線自由席特急券を同時に買うと、
840円+1,300円(=2,610円/2)=2,140円
となり、470円得になります。
ただ、乗車券が三河安城からだと、名古屋からに比べて310円高くなるので、差額の160円が実際のお得額と言うことになります。
在来線の特急料金の上限は3,860円(繁忙期普通車指定席601km以上)ですから、この方法だと最高で
840円+1,930円(=3,860円/2)=2,770円
となり、630円お得になります。
注:「乗り継ぎ割引は乗車券も購入する規則である」とのご指摘を頂いています。JTB時刻表に該当する記述はありませんが、ご注意下さい。(どうやら、一般には目に触れることの少ないものに書いてあるようです。)
周遊きっぷも、乗り継ぎ割引も、ポイントは「権利を放棄するのは自由」ということです。
周遊きっぷの例では、かえり券のルート一部(豊後竹田−立野間・熊本−鳥栖間)を放棄していますし、乗り継ぎ割引の例では三河安城−名古屋間の権利を放棄しています。
ただし、一部の途中下車を禁止した切符だと、途中下車した時点でその先の権利を失います。例えば「指定席往復割引切符」等がそれにあたります。また指定された駅以外からの乗車は制限が多いようです。「権利を放棄するとき」は、その切符の条件をよく確認してください。
通常の運賃・料金がいくらなのかを確認することが安い切符を探す第一歩です。
目的にあった割引切符があるのならそれを利用するのが一番簡単です。時刻表の付録のページなどをよく確認しましょう。
ぴったり合う割引切符が無くても、それを最大限有効に活用することで、通常の費用よりも安くすることができることがあります。ちょっと発想を変えてみてはどうでしょう。
これが一番重要だと思います。時間の許す限り時刻表と格闘して、安くする方法を考えましょう。いらない費用はできる限り出さずに、かけるところにお金をかけるのが旅行の基本だと思います。ただしキセルなどの不正行為はだめですよ。
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